昨日夜、「アナタの命助けますSP」という番組を見た。

小倉智昭今田耕司が司会で、病院で大変な目にあった人の体験から、悪い病院・良い病院を見分けるポイントを教えてくれるといった番組だったが、その中で「産婦人科」の実態のひとつについて知ったときには驚いた。

赤ちゃんの出生数を曜日別に見ると、なんと、線グラフではきれいなアーチを描くように、土日の子どもの誕生数がガクンと少なくなっているではないか。

それは、医師が、自身の休日を確保するために、妊婦の出産を薬などでコントロールしているから、ということだったが、なるほど、私にも思い当たる節がある。私の第1子の誕生は、金曜日の夜だった。

その、予定日を2日過ぎていた金曜日の昼間の検診。

「子宮口が固いので、柔らかくしましょう」と、何か薬を挿入された。私は、そんなものなのか・・・と拒否することも知らずに受け入れたのだが、その結果かどうか、その日の夜7:30。布団に横になっていたら、突然「バチッ」というような、ゴムの切れるような音がして、出血が。

あわてて産院にかけこむと、その約4時間後、ちょうど日付の変わる前には出産・・・ということになった。

当時は、「それは安産だったわねえ!」と言われてはそういうものかと思っていたのだが、今考えるとそれはとてもあわただしいお産で、あれっと思ったあとには急激に痛みが強くなって、生まれる直前には、何度もいきまないうちに会陰切開をされた記憶がある。

里帰り出産だったので、夫は連絡を受けてから、3時間かかる道のりをやっと到着したときにはもう生まれる寸前で、立会い滑り込みセーフ、といった感じだった。

赤ちゃんもまた、取り上げられてから、やっぱりあわただしく洗われて、あちこち検査?されて、やっと産着にくるまった後は、お母さんが乗っている分娩台の隣に、コットの中で寝かされた。

その時、抱っこはしてはいけないのかな・・・?と、聞こうと思うような、でも何だか恐いような気持ちで2時間ほど同じ部屋にいたけど、その後は24時間以上別々で、おっぱい指導もなかった。

おかげでその後1ヶ月はおっぱいが出にくくて、とても苦労したのだった。

そうそう、入院中はおっぱいやミルクをやるのも「○時間おき」という管理があって、毎回毎回メモを取るように言われた。育児って大変なんだなあ・・・って、そんなところから刷り込まれていってしまったように思う。

赤ちゃんのほうも「大変な思い」?をしたんじゃないか。

出産直後の、赤ちゃんが産声を上げているところからコットに落ち着くまでを、夫が撮影したビデオがあるが、オギャー!というよりは、ギャーギャー泣いているところをゴシゴシ洗われ、目に目薬をさされ、鼻の汚物は細い管でジューッと吸引され、そのまま母の胸に抱かれることなくベッドへ。

やっぱり当時は、繰り返しそのビデオを見ても「こんなものなのねー。無事にかわいい子を出産できて良かったわ」とそれなりの感動はあったけれども、後からそんな出産についてモヤモヤとした疑問を感じていたときに、「良いお産」について少しずつ知ることのできた情報から、あれではお母さんも赤ちゃんもかわいそうだったなあ・・・と振り返るようになった。



そんなこんなで、第2子の、別に選んだ産院での出産にあたっては、自分の思いを素直に伝えた。

生まれた赤ちゃんをすぐに抱っこしたい。

おっぱいもすぐにあげてみたい。

そのあとは、できるだけ早く母子同室にして赤ちゃんが泣いたらおっぱいをあげたい。

出産のときも、痛みによっては「こういう体勢がいい」ということを伝えたい。

(前回は、あまりの痛さに腰をふるようにしてしまったら「元気なお母さんねえ~こんなに汚れてしまったわ」と言われてなんだか傷ついたのだった・・・。)


その結果、出産はなんとも穏やかなものだった。

陣痛もゆっくり時間をかけて。最後の猛烈な痛みの中でも、助産師さんがギューっと肛門のあたりをつきっきりで押してくれたり、「少し上体を起こしたい」など、希望を言えばその通りの分娩台の形にしてくれたり。

そして、会陰切開をしない出産は、なんとその後の楽なこと! 陰部の痛みも翌日にはすぐにひいて、健常な体そのものに早くも戻ったようだった。

赤ちゃんのほうも、元気な産声を上げたあとは、体を軽く拭いてもらって、すぐにお母さんの胸の上へ。

まだ、本当にしわくちゃで、血の気も通いきっていないような生まれたての赤ちゃんて、なんてかわくていとおしいんだろう。(下へつづく)