かぶ

畑のかぶ。

ひと冬、元気だ。

秋にタネをすじまきにして以来、間引きを怠ったので、ひとかぶひとかぶを上手に大きく成長させてやることはできなかった。

でも、これがまた自然界の不思議なところ。

すべてのかぶが、ぎゅうぎゅうに小さくしか育たなかったわけではなく、まったく小粒にしか育たなかったものもあれば、どういうわけか立派にまるまると太ってくれたのもある。(写真)。

いったい何がどう関係して、「こいつは小さく」「こやつは大きく」という結果になったんだろう。

はじめすこしばかり優秀だったヤツが、少しずつ少しずつでかくなっていって、となりをおしのけ、大きくなるスキを与えなかったのかもしれない。

いや、途中で何がそうさせたか、肥料やちょっとばかしの風の吹き具合やら、害虫が生息した場所やらで、巻き返して大きくなったヤツもいたかな。

人間も、同じなのかもしれない。

隣同士で仲良く競っていたのに、あるときから一方は豊かなる「成功」の道へ。もう片方は「ここどまり」。

いちどそうと道が決まったら、あとはそのまま、そのレールからはずれることはない。

かぶに人生をみる思いです(笑)。

ま、ともかく、この冬かぶには困りませんでした。

サラダにシチューにお漬け物。

小さいヤツだって丁寧に洗い、おいしくいただきました。

葉っぱも炒め物や添え物にしたり。

初冬から春先まで、大も小もじっと身を寄せるようにして木枯らしの寒さに耐えてくれたかぶさん。

自給自足をありがとう。

(かえって人間が間引きをしてやったのより、自然界の摂理による競争で大きくなるやつは勝手に大きくなってくれるし、寒さには耐えられるし、いいのかも。)