- 作者: 太田治子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: 単行本
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太宰治、生誕100周年。
先日、ETV特集で「”斜陽”への旅」を見た。
いやあ、生々しいな…。ドキドキしてしまう…恋心。
現実が、小説になる世界。
小説のための、現実。
その中の、男と女の思惑が入り乱れる真実。
静子さんの気持ちを自分に重ねる。
心が浮遊する。
そして、平和な今がある。
私のタイプ、と高校生の頃から言っていて、友達に笑われたものでした^^;。
で、大学は卒論を斜陽にして、
それはそれは恥ずかしいくらいワケのわからないシロモノで、
その卒論が、この夏自分の手元に帰ってきた。
思いがけず、お世話になったゼミの教授からのお葉書。卒業から15年経ったので、卒論を返却する、と。
太宰治100年、卒論、返却。私にとっては偶然が必然、の再会!
100年経ってその子治子さんによって明らかにされた、太宰と静子の数通の恋文。
斜陽は論じるまでもない。それがすべて。
シンプル。他人が余計な推測するまでもない。
ただ、その臆面もないわかりやすさに、ひかれる。
それが現実だということに、みんな自分を重ねてそれぞれの思いにひたる。
ひっさびさに、タイムマシンに乗ったような2時間でした。