言葉の力 -   「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ)

言葉の力 -   「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ)

三森ゆりかさんの講演を約6年前、つくばのお教室で聞いたことがあったので、言語技術という言葉自体は新しいとは思っていなかったけれど、それから数年。

日本人にとっても、時代背景的に必要にせまられ、広く浸透しはじめてきたのかなと思う。

ちらちらっと読んだ感想をいくつか。

ファティック(無駄話のような交語)とクリティカルリーディング(批判的に読む)を基本とした言語技術は、

土台と家屋、というたとえがあったが、

必ずしもそうではないのでは。

言語技術がありながら「無駄話」ができない、なんて人も。

または「ファティック」が土台かつ家屋、という人もいる。

両方が揃って、より魅力的な人、と考えたい。

また、日本人は「つなぎの話が下手」とあるが、

そういう面だけでもないような。

道端で会えばまず天気の話から入る、というのは日本人だけだ、と学生の頃国語の教科書で読んだ覚えがあるが、

あいまいに会話をぼかしつつ、円滑な人間関係を築こうとする文化はある。

そう考えると、日本にもファティックはあるけれど、

クリティカルな会話につなげるためのファティックとする

打算的な西洋人のそれとは意味合いが違うということか。

ところで、子どもに対する「読み聞かせ」では、子どもの想像の世界を壊すので(無理に)感想を聞くべきでない、とある「読み聞かせ」のレクチャーで聞いた。

また、言語技術を教える下記の本の著者、三森さんもそれに同意見とのことだが、

「感想を聞かない」で終わりにしてしまうのではなく、

「読む技術」を引き出すための問いかけを提唱している。

だが指導者側に「問う」技術が必要になる。

しっかりと組まれたカリキュラムのもと、義務教育の段階から体系的に取り入れてほしいとずっと思っていたが、

少しずつその方向に動いてきているようだ。

とにもかくにも、異論各論織り交ぜつつですが・・・?

今後とも猪瀬さんの「国づくり」に期待。

絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す〈2〉

絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す〈2〉

我が家の本棚に数年来並んでいましたが・・・;;;

再読してみよう。