2013年10月01日のツイート

郊外の<クリーンセンター>へ行った。

「粗大ゴミ」を出すためだ。

13年目のオーブンレンジ。

買った当時は新婚生活のためにそれなりにいいもので、

石窯風のトレーで大きな丸いピザが焼けるのがうれしかった。

それが、いとも簡単に横倒しにされ、壊れたレンジの山に積み上げられていく。

一緒についてきていた6才の息子は

「わぁー!電子レンジがいっぱい!」と素直に驚きの声を上げた。

私自身もここに来るのはいつぶりだったかな。

たしか、使えなくなったベビーカーとサマーベンチ、扇風機。

一点420円の処理費用を支払い、さまざまな薄汚れた「粗大ゴミ」に見てはいけないものを見てしまったような気分になり

そそくさと車のアクセルを踏んで逃げるようにその場を後にする。

今回もそんな重い気持は変わらなかったが

「あの電子レンジはこのあとどうなるのかなあ?」

と息子が言った。

そうだねえ、・・・とすぐに返事をしたかったのだけれど

言葉につまって数秒間、何も答えることができなかった。

13年の間、キッチンの真ん中にあって

毎日のように食事を温め

特別な日にはケーキを焼き

そのままそこにずっとあると思っていたものが

なくなってしまったのだ。

「そうだねえ、きっと使えるところははずして

金属は溶かして、リサイクルされるよ。

またちがうものに生まれ変わるといいね。」

言葉にすることで、少し救われた気持になった。

でも、私はもう今後

オーブンレンジは買わないことに決めている。

電子レンジで温められない代わりに

お鍋やフライパンでひと工夫すればいいし

ピザだってあんなに丸く大きくはできないけれど

グリルでこんがり焼けばいい。

実はオーブンレンジが壊れてからというもの

丸一年が経過していて

それでなんとかうまくいくことは実証済みだ。

壊れて大きなゴミになるものは、もう買いたくない。

捨てる時の気持に、私はついていけない。

せめて

「今度はもし冷蔵庫が壊れたら、小さいのにしようよ。」

と先日、家電量販店で冷蔵庫のコーナーを通りかかったときに

夫にそう言ったら、驚かれたけれど。

もし炊飯器を買い換えるとしたら

今度は5合炊きから一升炊きかな、なんて話していたあとだったから。

毎日が何事もないように過ぎていくけれど、

ほんのたまに訪れる<クリーンセンター>が

忘れてはいけないことを、思い出させてくれるのです。


天野祐吉さんブログより『成長はもういい』

http://amano.blog.so-net.ne.jp/2012-08-30



行動を起こすときは、

その結末をよくよく考えてからにしなさい、なんて言葉もその通り、かな。