2013-10-27

6年の息子が、証明写真を必要とすることになった。

家のデジカメで撮るか、キタムラか、はたまた駅の500円インスタントか・・・なんて考えていたら、

「やはり専門の写真館で」というダイレクトメールが折りよく届いた。

息子が5才のとき、七五三でお願いした写真館からだ。

その後、妹弟がお世話になることはなかったので、おじゃまするのは7年ぶりだった。

羽織はかまを借りて家族写真を撮ってもらい、そのまま神社へでかけ、

和食料理屋も予約して会食して、という一日を過ごしてから、7年。

親からすればあっという間の7年間で、それでもその日のことは少しも忘れずに覚えている。

が、息子に

「ここへ来たことあるの、覚えてる?」

と聞くと

「全然。」

とこともなげに言う。

まったく、ガクッ(涙)という感じである。

撮影が終わって、

写真館のご主人が、

「よく撮れましたよ、はいっ」

と、3枚の証明写真が入った小さな袋を

息子に向けて渡す。

それは、母親である私にではなく、だ。

でも私はつい「折れちゃうから」と息子に私のバッグにそれを入れるように声をかけたのだが

やはりそうするべきじゃなかったな、と後から思った。

ご主人は、息子に対して

きちんと大人として扱ってくれていたのだ、と思う。

自分の写真なのだから、自分で管理しなさい、と。

息子に自分のかばんを持っていかせればよかったな。

もう、息子は5才の頃の息子ではない。

「全然」羽織はかまを着たことを覚えていない、12歳の少年、なんだ。

「ありがとうございました」

と親子でそれぞれ挨拶をして、お店を後にした。

息子は

「なんとなく、思い出してきた」

と言った。

ご主人は、7年前とくらべて

私の記憶もあいまいだけれど、「新進気鋭のカメラマン」から「少しお疲れぎみの」おじさんカメラマンになっていた気がした。

(ご主人ごめんなさい。)

でも、変わらずアーティスティックな素敵なおじさまだったし、

何より息子を一人前に扱ってくれて、ありがとうございました、

と伝えたい。

この7年間、ピアノの上にずっと七五三の家族写真は飾ってあって、色もあせていない。

けれども少しずつ、息子との距離は考えなくちゃならない。

そんなことを考えさせられたとある夕方でした。