ほんとうの小川、連なる山々、蛇口から出る冷たい地下水。

あちこちの「作られた」じゃぶじゃぶ池で遊んでいるうちに、夏、子どもの頃、母の実家のわきを流れる川(利根川・渡良瀬川の支流)でいとこみんなで遊んだことを思い出しました。

春はレンゲ畑。顔を出すタケノコ。

夏にはカゴいっぱいのミュウガ。甘酢漬けにしたり、そのままみじん切りにしてみそ汁に入れてもさわやかで美味。

「いっぽん」という名のキノコ。

畑にはイノシシやサル、ハクビシン、クマまでが出没することもある。

ゆりの根なんかをねらって土を掘り返された跡でわかる。

そんな豊かな裏山には代々のお墓があって、お盆には米だんごを供え、ナスやきゅうりの馬をつくって仏さまをお迎えする。

お盆期間中は、仏様は「生き物になりかわってかえってくる」から、飛び回るハエや、体について血をすう"カ"なんかも思わずたたいて殺してはいけない。

そんな仏様は、16日には燃やした竹の「パチッ」という音で、また天国へ帰っていく。

親戚一同でおじゃますると、おばさんは、スーパーに売っている1.5倍はある「ぼたもち」をつくって食べさせてくれる。

もてなしてくれる料理は決まって、天ぷら、お刺身、うどん。

たっぷりの油であげる夏野菜の天ぷら。

山あいの、海からは遠く離れた地域だから、魚屋でさばいてもらう「お刺身」は一番のおもてなし。

うどんは、このあたりでは自然と特産になっている。

冷たいきれいな水でつくるうどんはほんとにおいしい。

ちょっとまえまでは、おじさん自身がよくうどんを「ぶって」くれた。

大きな板で粉をこねて、まとまった生地を包丁で切って。

このあたりの男の人は、うどん打ちはあたりまえにやる仕事らしい。

こんなところがあなたち(ゆうき・さとか)のルーツのひとつなのよ、ということを伝えておきたい。

だんだんと世代が進めば、帰る場所も変わってくる。

なかなか川内へ行く機会も減ってしまってさびしい。

このお盆は久しぶりに桐生へ行くから、親戚のみんなに会えるのが楽しみ。