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つくばのゆかりの森で開催された「つくば都市型農業フォーラム2007」に、「わの会」の参加者としてお話を聞いてきた。

フォーラムの趣旨は、都市として発展していくつくばの中で農家がやっていく一つのかたちとして、「体験型農園」を開設するという方法もある、と提案するもの。

「体験型農園」を広める仕事をされている練馬の加藤農園http://members.jcom.home.ne.jp/katonouen/の園主さんがアドバイザーとして来られた。

「わの会」は、つくばの一農家が好意で近隣の住民に農園体験や郷土料理を教えるという活動をしているものだが、つくばでは先駆的な活動ということで以前から注目されている。

私はその活動に参加する一消費者ということなのだが、あらためて「『わの会』の魅力は」と聞かれたら?


料理を楽しくさせてくれる。

献立を考えてからスーパーに必要なものを買いに行く、という料理の方法にむなしさを感じるようになってしまった。

今たくさんあるもので何を作ろう?!という方向からの料理が、自分の想像力や作る意欲を強くしてくれる。

自分が扱う食材の、どうやってできてきて手に入るのか、というおおもとを知ろうとすることで、自分の今の毎日のシゴトである料理を通して自分が向上できている、と思うことができる。

好奇心を満たす。

お金に換算しないで、たくさんできた旬のものを手にすることができる畑の活動は、そんな自分のため。



そして、畑をいじることは、祖父まで農家だった自分のルーツを思い起こさせる。

祖父や祖母と一緒に畑に行った、小さい頃の楽しかった記憶が、ノスタルジーとなって私を畑に呼ぶ。

そして、緑に癒されるという動物本来の感覚が満たされる。

そして、自分の子ども達にもそれを体験させ、伝えたいという思いもわき起こる。

子どもたちがそういう体験によって、将来にわたって自然を身近にして、生きる意欲や糧にしていってくれたら、という自衛の気持ち。




私の父の代は、「農業は大変」という生活を目の当たりにしているから、「農業なんてやりたくない」。

でも、その子の世代は、望むと望まざるとにかかわらず、時代の流れのなかで断絶させられてしまった土との関わりに「憧れを感じる」世代。

そんな私たち世代がもういちど土に関心を持ったとき、また新たな、よりよく土とつきあえる環境をみなで作っていけたらいい。





人によっていろいろな生計の立て方はあるものだけど、ごくふつうな暮らし方として、自己実現のできる安定した収入があって、土がいじれてちょっと食べられるくらいの畑が耕せる庭があって…という暮らしがみんなに訪れればいいのになあ~。





昔はモノがなかった。

スーパーで好きな食材を選んで好きな料理を作る、なんて夢のような、ぜいたくな話だったのだろう。

それにむなしさを感じるなんて。

中庸の難しさ、大切さ。

かえってこの先は、自給率の落ちた日本にまた食糧危機がやってくる、という話が今非常に現実的だ。


(写真は、催しの一部の餅つき交流会にて。ゆうもさともぺったん楽しませてもらいました。

つきたてのおもち、お昼にいただいておいしかった! きなこ、あんこ、からみ…。)