・「かみなりさまにおへそを取られるよ」

「おてんとさまに申し訳がたたないよ」

テレビドラマなどで聞いて、「ちょっと昔の言い回しで、最近はあまり言う人がいないだろうなあ」と思っても、その思想に、違和感はない。

「やおよろずの神」をあがめる、古代からの日本人。

「かみなりさま」「おてんとさま」のせいにして、子どもらなどに言うことを聞かせようとする、知恵。

親が言ったらきつすぎる。誰か、親よりもつよいものが言うのだから、間違いない。だから、子どもは素直に言うことを聞く。

・お祭りでゆかたを着ること、着ている人を見るとわくわく、うつくしいなあと思うこと、テンツクテンテンという太鼓の音に心がひかれること、七五三には子どもに着物を着せてお祝いしなくちゃ、と思うこと、結婚式で白無垢を着るっていいなあと思うこと。

お正月にはお雑煮やおせちを用意すること。ぬか漬けをおいしいな、と思うこと。

農家の、天守閣を模したような灰色のかわらをのせた、台形でどっしりと構えた2階建ての大きな家、または平屋なのだけどその1階部分の1.5倍はありそうな屋根がのっている家が、「重要文化財」にもならず、あたりまえのように、まだ新興住宅街のあいまあいまに存在しているということ。

そう、「あたりまえ」の「すてき」が、まだちゃんと残っている、「日本文化」。

その「あたりまえ」をちゃんと「意識」していないと、自然とすたれてしまう。

その「すてき」を「必ず残したい日本文化」と意識しよう、行動しよう。

あ、ただのすてきでないすてき、だってある。

お葬式ではお坊さんを呼ぶこと、両手を合わせて拝むこと。それによってこころが慰められること。お仏壇があってお線香から煙がたちのぼる風景。おはぎがあって、冷たいご飯にお箸がまっすぐに立てられている様子。

・「違和感がある」「すてき」。

最近の、新しい住宅街の町並み。

狭い敷地に、オープン外構の、似たような家が立ち並んでいる。

そのたたずまいは、イギリス?南欧?

コニファー(針葉樹)が整然と家の周囲にめぐらされているその風景は北欧??

「ただの」「すてき」ではいけない。

これが「ガイコクの模倣」であると意識していなければならない。

今の新興住宅のはやり。

これでいいのか?日本の町並みは、これでいいのか?

・教会で、ウエディングドレスを着て式を挙げること。

たしかにすてき。でも、これはもともとの日本文化じゃない。

しかも、そういう式を挙げるほとんどの人はクリスチャンじゃない。

しかも、そういう式場は、ホントの教会じゃない。

結婚式場のための教会。

欧米文化の中の教会では、葬式だってやるはずだ。

日本はこのまま無国籍文化をいっちゃっていいのか?

少し知恵があれば、考えてみよう。

このまま流されるまま、なぜか感じるままの「すてき」に乗っかってはいけない。

なんでそれを「すてき」と思うのか。

その「すてき」は何から来ているのか。

いつもいつも振り返り、考えよう。

そして、おかしいと感じたらおかしい、といいたい。

だれかそれを止めてくれるかな?

それともそのまま日本はヘンになるんだろうか。

まず町並み。この首都圏近郊の、ぐちゃぐちゃな町並みを嘆かわしいと思う。

まず我が家から。悲しいかな、270°「農村風景」に囲まれた我が家は、箱型の鉄骨作り(笑)。

でも、敷地、住む人数、いろいろな状況で、そうなるしかなかった、と言ったらおしまい(苦笑)。

自分で家なんかを建てるようになったら、いろいろなところが目に付くようになったんだよね・・・。