あるひとつの選択

私には、今どうしようかなあ~と考えていることがある。

それは、「内職」を4月から再開しようかどうしようか、ということである。

息子がまだネンネだった2002年の春ごろに始めて、途中忙しい時には休み休みで、さとかの出産前からは最長休める一年間休んで、その後再開したものの引っ越し後はまたずっと休んでいたので、5年間続けてきたといってもそうマジメなものではなかった。

けれども、この内職(高校生の通信教育の添削)は、私を心身ともに?ある意味支えてくれていたものだった。

息子の育児が始まってからしばらくして、昨日書いたような「不安」を感じ始めた私は、育児以外の「何か」をしたくなった。

そこで、新聞広告に出ていたその「内職」の募集に応募して、在宅で「試験」なるものもして、その仕事をはじめることになった。

息子が寝ているうちは、良かった。

長いお昼寝の時間を利用して、机に向かってひたすらペンを走らせた。

それは、家事と育児とおっぱい(なんだかおっぱいを吸われていると、自分の脳ミソが吸われてぼーーーっとしていく気がしていた)の世界とはまったく違った世界で、時間を忘れてその仕事をしていると気分転換になった。

しかし、息子が動き始めるようになって、お昼寝もあまりしなくなってくると、家での時間がほとんどとれないようになった。

私は、イライラする。息子は「外へ連れてってくれ~」とまだ言葉にならない声で要求する。

寝不足にもなる。夜中机に向かっているのに「おっぱい~」で泣いて呼ばれると、はあ・・・とため息をつきながら添い寝に戻ることになる。すると、そのまま私も寝てしまって、次の朝真っ青になってしまったりする。

そんな生活に限界を感じて、1歳から利用できた保育園の「一時保育」に預かってもらうようになる。

がんばって月二万円程度の収入は、ほとんど保育料に消えてしまうが、母親以外の大人にも見てもらい、友達の中でもまれて過ごすのは子どもにとっても良いことだと考えていた。ほかに預けられるような親類も近くにいない中で、自分以外の誰かが子どもを温かく見てくれる場所がある、ということにも非常な安心感を感じていた。一日の終わりに渡してくれる、その日の子どもの様子を先生が記してくれた「連絡帳」がとてもうれしかった。

その後、さとかの出産前後もひきつづき息子を一時保育で預かってもらったが、その時も息子はスムーズに過ごせたので、先生や集団生活に慣れていてよかったな、と思った。

そして、さとかが1歳になってからは、今度はさとかが同じ保育園の一時保育にお世話になりながら仕事を再開した。

その後、引っ越ししてからもひと段落したら続けよう・・・と考えていたのだが、ここから近い保育園の一時保育の1歳児の定員はいっぱいで、2歳児からでなければ入れない、ということだったので、今度の4月まで待たなければならなくなった。

そこへもってきて、第3子を授かったことがわかった。

さて・・・。

この4月から、がんばってでも再開するか。

それとも、もう休みをもらえるのも限界だから、辞めようか。


書いてきたように、この仕事は私を支えてくれた一面があった。

ほか、添削をしていてわからないことがあると会社へ電話して、担当の女性と話をするのだが、そこで国語の問題についてあれこれギロンを交わすようなことも楽しかった。膨大な数の問題についてよく理解しているなーと思うほど担当の女性は聡明で、勉強になった。

しかし反面、家で仕事をしていると、外に出てもっと多くの人と関わって仕事をしたい、という気持ちもずっとあった。

子どもと離れて非日常的な時間を過ごせるのは良かったのだが、丸一日、昼ごはんを食べる間も惜しむようにして、保育時間の間になんとか少しでも多く仕事をこなそうとずっと一人机に向かっているのはとても孤独だった。

そんなこんなの複雑な気持ちを感じつつ、身重の体を抱えて再開できるか?

それに、幼稚園生になって帰宅する息子は、家にいれば変わらずにいつでも母親を求める。

成長してくればくるだけ、基本的な部分(オムツ替えとか離乳食とか?)は手がかからなくなってくるけれども、それ以上に?親がしてやりたい具体的なことも増える。

「トランプしよう」と言えば一緒にしてやりたいし、ピアノだって見てやりたいし、食事だってちゃんと作ってやりたい。自分が時間に追われたイライラした態度は見せたくない。

なーんてことを考えていると、やっぱり「のんびり」母親は過ごしていたほうがいいのだろうか。

そして子どもが3人なら、やることは3倍?

(いや、どんなに忙しくて将来につながることをやっている人でも、イライラした顔を見せない人もいるんだろうなあ。尊敬するし、そうなれたらいいなあと思います。)

「子育てが終わったら自分に何が残る?」なんてことは、今の私は頭のどこかでいつも考えることにして行動に移せることがあったら何かしよう・・とか思いながらもやっぱり今はここでひと区切り、すっぱりこの仕事は辞めたほうがいいのだろうか。そうするしかないのだろうか。



それとも「いや、あなたはつまり根気が足りないのよ」と私は誰かに一喝してほしいのだろうか。

またはあなたはこれまで一生懸命がんばってきたのだから、もう無理しなくてもいいんじゃない? すべてにとってそれがいちばんの選択では? と方向づけてもらいたいのだろうか。

いやはや、そもそもあなたはがんばる方向を間違っているよ。そんな声が聞こえたりもする。


イムリミットは3月頭。

さとかの一時保育の面接時期も、会社に「再開か、辞めるか」を伝えるのも。